轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
千三は顔をあげることができなかった、かれはなくにもなけなかった。
ぼんやりベンチへ帰ると安場はにこにこしていた。
「おい、だいじょうぶ今日の試合はこっちのものだぞ」
「ぼくはだめだ」と千三がいった。
「いやなかなかいい、すてきにいい」と安場はいった。
柳がダイヤモンドに立ったとき群集は一度に喝采した。実際柳の風采、その鷹揚な態度はすでに群衆を酔わした。それに対して小原の剛健沈毅な気宇、ふたりの対照はたまらなく美しい。
「柳!」
「小原!」
この声と共に学校の応援歌がとどろいた。黙々の第一打者は五大洲である。かれはかんかんにおこっていた。かれは頭の鉢巻きをかなぐりすてたとき、その斑々たる火傷のあとが現われたので見物人はまたまた喝采した。
柳は静かに敵の姿勢を見やった、そうして美しいボディスイングを起こした。のびのびとした四肢や胴体のあざやかさ、さながら画に見るがよう、球が手をはなれた。五大洲がバットをふったかと見ると球は左翼の頭上はるかに飛んだ、外野手は走った、内野手も走った、陣営騒然とみだれた、小原はあっけに取られてマスクをぬぎ捨てたまま本塁に立っている。