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あすへのわだい
あすへの話題
中谷 宇吉郎
「日本経済新聞」1956(昭和31)年5月~11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,402 字 · 7 页
登呂の硝子玉
アインシュタインは、その理論を作り上げたが、それは単に数式の上での話で、実験的には、その根拠がまだ確かめられていない。それで、もしそれを実験的に支持する現象が発見されたら、重力にも人間が手をつけることができ、やがては、重力を絶ち切る方法も見つかるのではないかという話なのである。
登呂の硝子玉
よい機会があって登呂の遺跡を見たが、非常におもしろかった。
弥生式の後期の時代で、約千七、八百年昔の遺跡だという話である。昔の日本歴史によると、景行天皇から神功皇后にかけたころの遺跡と思っていいであろう。
登呂のことは、今まで専門家の手によって、たびたび書かれているので、私などが何もいうことはない。しかし今度の訪問で、ひどく驚いたことは、発掘品の中に、硝子玉が七、八個あったことである。
いずれも緑色か青色のきれいな硝子玉で、大きさは、小指の先くらい。孔があけてあって、ひもを通して装身具にしたものにちがいない。ほとんど透明なみごとな色硝子である。考古館の人が、「初めて出て来た時は、誰か見物に来た人が、落していったのではないかと思ったくらいでした」といっておられたが、まさにそのとおりの品なのである。