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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいじっかん)
あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)
宮本 百合子
「宮本百合子選集 第十巻」安芸書房、1949(昭和24)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,796 字 · 18 页
「前進のために」をよむと、誤りをみとめつつ、なお林房雄などの卑劣さに対する本質的ないきどおりをしずめかねて、うたれつつたたかれつつ、なお自分の発言した心情の地点を譲歩しようとしていないわたしの姿が浮んでいる。
当時の運動の困難な状態が、運動に熟達していないわたしにまで過分な責任をわけ与えた。作家であるわたしが、指導的なジェスチュアなどというものを知らず、同志とよばれるものの具体性さえ知らないで、未熟さをむき出しに心情的に行為したことについて、十六年後のこんにち、わたしはなお、いくつかの感想を抱いている。政治と文学との関係をふくむヒューマニティとその正義の課題として。
この巻におさめられているもう一つの評論「近頃の感想」は、「一連の非プロレタリア的作品」から二年のち一九三四年にかかれたものである。このなかにも「一連の非プロレタリア的作品」のまきおこした渦巻とそれについての当時の感想がもらされている。
「一連の非プロレタリア的作品」をめぐってくりひろげられた当時の情景は、さまざまの角度から劇的な一つの図絵である。わたしとしては、この経験から根本的な一つのことを学ぶことができた。