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おじいさんのいえ

おじいさんの家

小川 未明

「おとぎの世界」1919(大正8)年4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,150 字 · 11 页

青空文庫

」と、おばあさんはいいました。

「じゃ、同じ番地に、こういうおじいさんは住んでいませんか。」と、正雄は聞きますと、

「そのおじいさんの家ならここです。その人は私の連れ合いですが、もう一月ばかり前になくなりました。」と、おばあさんは答えました。二人は思わず顔を見合って驚きました。

「どうしたのだろう。」といって、大いに不思議がりました。よくおばあさんに聞いてみますと、ボンの死んだころと、おじいさんのなくなったころと同じでありました。また、先日正雄の家へやってきたおじいさんと、死んだおじいさんとは、ようすがそっくり似ているのでありました。そのとき、おばあさんは、うなずきなから二人に向かって、

「わかりました。おじいさんは平常犬や猫や鳥が大好きであったから、きっとその犬をつれて、いまごろは、極楽の路を歩いていなさるのだ。坊ちゃんが、犬をかわいがっておやりだったから、きっと犬があの世からたずねてきたのですよ。それをおじいさんが迎えにきて、また、連れていったのです。」といいました。

正雄も姉さんも、あるいはそうかと思いました。やがておばあさんに別れを告げて帰る途すがら、二人はボンのことを話し合いました。