轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おさかなじょし

お魚女史

坂口 安吾

「八雲 第三巻第八号」八雲書店、1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,457 字 · 19 页

青空文庫

あの子がねーエ」

「おだまり、チンピラ!」

叫んだところで、ムダである。

「アハハ。あの子がねーエ。この人のラヴさんなんだってさア。アハハア。するとネ。この人がネ。六十三のオジイサンのオメカケになっちゃったんだア。だもんでねーエ。二股長半が怒ってネ。酔っ払ってネ。この人をブッちゃったもんでネ。この人がネ。かねて見覚えた要領でさ。スリコギを握ッてネ。こう構えて、エイッとネ。そいつがコントロールが良すぎたんだなア。二股長半のヒジに命中しちゃッたんだよ。だもんでさア。去年の暮から二股長半がプレートをふまねえやア。アハハア」

「エ? ナニ、ナニ? ワッハッハッア。ウーム、これは」

こういうゴシップときては目のない凹井狭介である。この男には友人の文士どもが泣かされているのである。自分でゴシップをつくりだすという主犯の役目はやらないのだが、ひとたびゴシップがこの男の耳にふれたが最後、二日のあとには津々浦々に伝わっている。毎日三十枚のハガキを速達でだしている。それがみんな愚にもつかないゴシップを書いたハガキで、当人はただもう、それを人に知らせるのが楽しくてたまらないのである。