轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きのうときょう

きのうときょう

宮本 百合子

音楽が家庭にもたらすもの

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,319 字 · 5 页

青空文庫

この間日比谷の公会堂であった自由学園の音楽教育成績発表会へ行って、それについての様々な感想につれて、自分たちが小さかった頃の生活のうちに、音楽がもたらしたあれこれの情景をなつかしく思いおこした。

もうふた昔三昔のことで、私が五つぐらいと云えば明治三十年代の終りから四十年代のはじめにかけての時期になるが、その時分うちに一台のベビイ・オルガンがあった。五つをかしらに三人の子供たちをそのぐるりにあつめながら、バラの花簪などを髪にさした母のうたった唱歌は「青葉しげれる桜井の」だの「ウラルの彼方風あれて」だのであった。当時、父は洋行中の留守の家で、若かった母は情熱的な声でそれらの唱歌を高くうたった。母自身は娘時代、生田流の琴と観世の謡とをやって育ったのであった。

九つになった秋、父がロンドンからかえって来た。その頃のロンドンの中流家庭のありようと日本のそれとの相異はどれほど劇しかったことだろう。父は総領娘のために子供用のヴァイオリンと大人用のヴァイオリンを買って来た。ハンドレッド・ベスト・ホームソングスというような厚い四角い譜ももって来た。ニッケルの大きい朝顔のラッパがついた蓄音器も木箱から出て来た。