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それから

それから

夏目 漱石

代助醒来时,脑海里悬着一块木板,随脚步声消失。他总在半夜按着胸口数心跳,思考这跳动的生命到底意味着什么。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 页

青空文庫

世の中へ出ると、中々それどころじゃない」と暗に相手の無経験を上から見た様な事を云った。代助にはその調子よりもその返事の内容が不合理に感ぜられた。彼は生活上世渡りの経験よりも、復活祭当夜の経験の方が、人生に於て有意義なものと考えている。其所でこんな答をした。

「僕は所謂処世上の経験程愚なものはないと思っている。苦痛があるだけじゃないか」

平岡は酔った眼を心持大きくした。

「大分考えが違って来た様だね。――けれどもその苦痛が後から薬になるんだって、もとは君の持説じゃなかったか」

「そりゃ不見識な青年が、流俗の諺に降参して、好加減な事を云っていた時分の持説だ。もう、とっくに撤回しちまった」

「だって、君だって、もう大抵世の中へ出なくっちゃなるまい。その時それじゃ困るよ」

「世の中へは昔から出ているさ。ことに君と分れてから、大変世の中が広くなった様な気がする。ただ君の出ている世の中とは種類が違うだけだ」

「そんな事を云って威張ったって、今に降参するだけだよ」

「無論食うに困る様になれば、何時でも降参するさ。然し今日に不自由のないものが、何を苦しんで劣等な経験を甞めるものか。