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それから

それから

夏目 漱石

代助醒来时,脑海里悬着一块木板,随脚步声消失。他总在半夜按着胸口数心跳,思考这跳动的生命到底意味着什么。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 页

青空文庫

三千代はそうですねと云って、又前の様な笑い方をした。代助がすぐ返事をしなかったものだから、

「貴方には、そう見えて」と今度は向うから聞き直した。そうして、手に持った団扇を放り出して、湯から出たての奇麗な繊い指を、代助の前に広げて見せた。その指には代助の贈った指環も、他の指環も穿めていなかった。自分の記念を何時でも胸に描いていた代助には、三千代の意味がよく分った。三千代は手を引き込めると同時に、ぽっと赤い顔をした。

「仕方がないんだから、堪忍して頂戴」と云った。代助は憐れな心持がした。

代助はその夜九時頃平岡の家を辞した。辞する前、自分の紙入の中に有るものを出して、三千代に渡した。その時は、腹の中で多少の工夫を費やした。彼は先ず何気なく懐中物を胸の所で開けて、中にある紙幣を、勘定もせずに攫んで、これを上げるから御使なさいと無雑作に三千代の前へ出した。三千代は、下女を憚かる様な低い声で、

「そんな事を」と、却って両手をぴたりと身体へ付けてしまった。代助は然し自分の手を引き込めなかった。

「指環を受取るなら、これを受取っても、同じ事でしょう。紙の指環だと思って御貰いなさい」