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てかてかあたまのはなし
てかてか頭の話
小川 未明
「童話」1920(大正9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,183 字 · 5 页
俺、一生に一度でいいから、あんなぴかぴかした頭になってみたいと思ってきただ。途中で、いちばん上等な鬢付け油を高い金出して買ってきたから、これを俺の頭にみな塗ってもらうべえ。」と、その若者はいいました。
「それで、おまえさんはやってきなすったか。」と、人のいいおじいさんは、笑って聞きました。
「ああ、それできた。ここに一本あるんだが、これじゃたりないかえ。」と、若者は、買ってきた一本の鬢付け油を懐の中から出しました。
おじいさんは、それを受け取って、
「こりゃほんのちょっとつけりゃいいのだ。なんでこれ一本なんかいるものか。」といいました。
すると、若者は、心配そうな顔つきをして、おじいさんを見ました。
「どうかそれ一本みんな、俺の頭につけてくんなせえ。俺、せっかく買ってきただ。ちょっくらつけて光るものなら、みんなつけたら、一生頭がぴかぴか光っているべえ。後生だから、どうかみんなつけてくんなせえ。」と、頼むようにいいました。
おじいさんは、髪を刈ってしまってから、堅い鬢付け油の端を欠いて、男の頭に塗って、ぴかぴかとしましたから、
「さあ、これでたくさんだ。こんなに頭がぴかぴかとなった。