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どこかでよぶような

どこかで呼ぶような

小川 未明

「幼年クラブ」1949(昭和24)年5月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,361 字 · 7 页

青空文庫

」と、おじさんは、原っぱの中へ、車をひき入れました。

「ここは、あたたかで、いいところですね。」と、さもしたしげに、わたくしへ話しかけるので、わたくしも、いっしょに、もとの場所へきて、ふたたび草の上にねころびました。ペスは、二人のようすを見ると、きまりわるく思ったか、家へ、さっさとにげていきました。

「きみのうちの犬ですか。」と、おじさんが、聞きました。

「いえ、となりの犬です。」と、わたくしは、答えました。

「猟犬らしいが、いい犬ですね。」

「そう、よく、よそのにわとりや、うさぎをとってこまるんですよ。」

「は、は、は。」と、おじさんは、わらいました。そして、ライターで、たばこの火をつけました。

あおぐと、太陽は、黄色にもえていました。そのあたたかな光を、おしげもなく、草や人間の上にあびせています。このとき、またしても、ドーンという音がしたのです。

「おや、花火かな。」と、眼鏡をかけたおじさんは、耳をすましました。すると、ドーンドーンとつづいて、しずかな空気をやぶる音がしたのでした。それは、たしかに、あちらの森の、もっとさきからきこえたのでした。

「さっきから、するんですよ。