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なつかしまれたひと
なつかしまれた人
小川 未明
「童話」1926(大正15)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,245 字 · 11 页
弟や、妹たちは、はやくおじいさんの顔を見たいと待っていますから、どうかすぐに私といっしょに帰ってください。」といいました。
おじいさんは、息子の成功をしたというのを聞いて、どんなに喜ばしく思ったかしれません。どんなに、久しぶりで、子供や、孫たちにあわれるのをうれしく思ったかしれません。けれど会社にいるみんなから、しんせつにされているのを、別れて帰らなければならぬかと思うと、またかぎりなく悲しかったのであります。
「それは、まあなによりうれしいことだ。」と、口には、いいながら、おじいさんは、自分の着ている半纒や、汚れて土などのついている股引きを見ながら、すぐに帰ろうとはいわずにちゅうちょしていました。
息子はもどかしがって、
「おじいさん、さあ早く帰りましょう。会社の汽車にまにあわせたいものです。なにを考えていなさるのですか。こんなに汚れた半纒や、破れた帽子や、土のついた股引きなどは、もう用がないのですからお脱ぎなさい。そして、私がここに持ってきた、新しい着物にきかえて、早くここを出かけましょう……。」といいました。
おじいさんは、長い間、自分の身につけていた仕事着を未練惜しそうに脱ぎながら、