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はたらくにしょうねん
はたらく二少年
小川 未明
「少年少女の広場」1949(昭和24)年3月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 3,777 字 · 8 页
そのとき、そこを通りかけた自転車が、ぼくを見るとふいに止まって、
「おい、Kぼうじゃないか。」と、声をかけた。
それは、近所のおじさんだった。
「どうして、こんなところへきた。おとうさんといっしょか。」と、おじさんはきいた。
ぼくが頭をふると、おじさんは、ふしぎそうに、ぼくを見るので、
「海を見たい。」と、ぼくはいった。
「あはは、ばかめが。海までまだたいへんだ。さあ、早くこれにのれ。いっしょに家までつれていってやるから。」と、おじさんは後ろへぼくをのせると、走りだした。
「Nくん、こんなようなことも、あったんだよ。」と、Kがいいました。
だまってKの話をきいていたNは、たばこの火がきえたのも知らなかった。
「だれにも、にたような話はあるのかな。それで、苦しい世の中と思っても、なお生きようとするのは、いつか、いい人間にめぐりあえるような気がして、美しいゆめがもてるからですね。」
Nは、こう答えて、上着のかくしから、なにかとりだしました。それは、手ぬぐいにつつんだ鏡のかけらでした。
「きみ、それは、どうしたの。」と、Kがきいた。
「あすこで、ひろったのです。Kさん、この町はわたしに思い出がふかいんです。