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はたらくにしょうねん

はたらく二少年

小川 未明

「少年少女の広場」1949(昭和24)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 3,777 字 · 8 页

青空文庫

」と、こんどはNが、そのわけをKに話してきかせたのです。

わたしは、おふくろがなくなった後、どうすることもできず、おなじ長屋にすんでいた、あんまさんのところで、せわになりました。わたしの仕事というのは毎日親方の手を引いて、あの町かどのところへくることでした。そして、親方が、尺八をふく間ついていて、通りかかる人が、お金をくれるのをもらったのでした。戦争前は、あすこに大きくてりっぱなカフェーがありました。

夏の日の午後のこと、きゅうに空がくらくなって雷がなり、雨がふりだしました。

「夕立ちだから、じき、はれるだろう。」と、親方はいって、二人はカフェーの、のき下へはいり、たたずんでいました。すると、ぴかりぴかり、いなずまのするたび黒い森や、でこぼこの屋根が、うきあがって見えるかと思うと、地球をひきさくようなすさまじい、雷の音がして、わたしはふるえながら、親方の手をひっぱって、もっとドアに近く身をよせようとしました。そうすればたきのようにふる雨が、かろうじてよけられるからです。

このとき、とつぜんドアがあきました。見ると、うすべに色の長いたもとの着物をきた女給さんが、ぱっちりした目をこちらへむけ、二人を見ながら、