轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めおとよろい
めおと鎧
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館 、1943(昭和18)年1月号
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 12,130 字 · 24 页
春のころいちど、若狭のくにから妻へ消息をだしたが、はたして届いているかどうか、ともかくいちど大阪へ出ようと考えた。しかし、大聖寺との開戦で、越前への道はみんな塞がっていた。危険を冒してゆくか、それとも飛騨をまわってゆくか、心せきながらどうしようかと迷っているうちに、戦のようすがだんだんわかってきた。三成の挙兵は家康が上杉氏討伐の軍を東へすすめたあとのことで、御主君浅野幸長もその討伐軍に加わっているらしい。――それでは大阪へゆく意味はない。孫兵衛はすぐに思いとまった。妻のことが気にかかったけれど、いまはどうするいとまもない。道をひきかえして越中から飛騨へとはいった。浅野家の領地は甲斐のくに二十万石で、居城は甲府だった。領地からも出兵するにちがいないし、すればその西上する途中で会えるだろう、そう思ったのである。
飛騨のくに高山へでたのが九月八日だった。そこは金森兵部長近の領地で、兵部入道も、やはり家康の東征軍にしたがっていたが、その子出雲守可重は三成挙兵の報にはせ戻り、はやくも美濃へと攻め入ったあとだった。それで、かなり精しく戦の模様をきくことができた、それは加賀できいたものより、もっと急迫していた。