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めくらぼし
めくら星
小川 未明
「おとぎの世界」1919(大正8)年6月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,348 字 · 9 页
と、決心しながら、とぼとぼと、なおも途を歩いてきました。
高い山の端が、赤く、黄色く色づいては、いつしか沈んでしまいました。娘は悲しく、日の沈むのをながめました。もう家を出てからだいぶ遠く歩いてきました。いまごろ、弟や、お母さんは、どうしていられるだろうと思うと、さびしく、頼りなくなって涙がわいて出てきました。
そのうちに、彼女の歩いている路は、いつしか尽きてしまって、目の前に青い青い池が見えました。日はまったく暮れて、空の星がちらちらとその静かな水の上に映っていました。
娘は、目がよく見えませんけれど、この深そうに青黒く見える、池の面に映った星の光だけはわかりました。彼女は、ずっとその池の面を見つめて、死んでしまおうかと思案していました。
ちょうどそのとき、水の中から、
「姫、姫、どの星になる。金の星か。銀の星か。それとも紫色の星か。」という声が聞こえたのであります。
娘は、これはきっと、神さまが自分を救ってくださるのだろうと思いました。お星さまになったら、もういままでのように悲しいこともなければ、またつらいこともなかろう。そして、なつかしい真実のお母さんにあうこともできれば、また三郎さんの大事にしていた鳥を、世界じゅうめぐりめぐって探すこともできるだろうと思いました。