轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もうぐんびはいらない

もう軍備はいらない

坂口 安吾

「文学界」1952(昭和27)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,258 字 · 16 页

青空文庫

今の日本が金持と同じように持つことができるものは、そして失う心配があるものは、自由とイノチぐらいのものじゃないか。ところが、戦争ぐらいその自由もイノチも奪うものは有りやしない。

あまり結構な身分じゃないけれども、泥棒に狙われる心配がない身分になってみると、ピストルだ用心棒だと備えを立てて睡眠不足になっている金持どものバカさ加減が分るものだ。すくなくとも自分が殺人強盗になろうという気持がなければ、泥棒の備えを立てるに汲々たる金持どもが利巧に見える筈はありっこない。

泥棒の心配で夜もオチオチ眠れないような身分になってみたいもんだというのは重々ゴモットモではあるが、金持は泥棒の心配をしなければならないものだという天の定めがあるわけではない。金持になって、おまけに泥棒の心配をせずにすむなら、これに越したことはないさ。

国防は武力に限るときめてかかっているのは軽率であろう。

*

今日までの金持というものは、だいたいにねかせた財産をもち、その大小によって金持の番附がつくられるような富の在り方であった。莫大な預金、広大な所有地。そしてそれは泥棒が主として狙う富でもあった。