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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
宮沢賢治『イーハトーボ農学校の春』。同一底本的分册已合并为一书。收入:イーハトーボ農学校の春、或る農学生の日誌、みじかい木ぺん、耕耘部の時計、さいかち淵、台川、二人の役人、イギリス海岸、種山ヶ原。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,726 字 · 120 页
「発破かけだら、雑魚撒かせ。」三郎が、河原の砂っぱの上で、ぴょんぴょんはねながら、高く叫んだ。
ぼくらは、とった魚を、石で囲んで、小さな生洲をこしらえて、生き返っても、もう遁げて行かないようにして、また石取りをはじめた。ほんとうに暑くなって、ねむの木もぐったり見えたし、空もまるで、底なしの淵のようになった。
そのころ誰かが、
「あ、生洲、打壊すとこだぞ。」と叫んだ。見ると、一人の変に鼻の尖った、洋服を着てわらじをはいた人が、鉄砲でもない槍でもない、おかしな光る長いものを、せなかにしょって、手にはステッキみたいな鉄槌をもって、ぼくらの魚を、ぐちゃぐちゃ掻きまわしているのだ。みんな怒って、何か云おうとしているうちに、その人は、びちゃびちゃ岸をあるいて行って、それから淵のすぐ上流の浅瀬をこっちへわたろうとした。ぼくらはみんな、さいかちの樹にのぼって見ていた。ところがその人は、すぐに河をわたるでもなく、いかにもわらじや脚絆の汚なくなったのを、そのまま洗うというふうに、もう何べんも行ったり来たりするもんだから、ぼくらはいよいよ、気持ちが悪くなってきた。そこで、とうとう、しゅっこが云った。