轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
「キング」1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,079 字 · 202 页
と禍も三年、私は過去の失業が今や同僚に意見をする権威になる。
「世の中が変って来たよ」
「何故?」
「去年の秋、君がこの室へ来始めた頃は僕が指導の任に当ったものだったがね」
「君は万事調子を合わせて逆わないことだと教えてくれたよ。お蔭さまで無事に勤まっている」
「出藍の誉って奴だね。この頃じゃ君の方が余っ程信用があるようだぜ」
「然うでもなかろうが、内心凌駕しようと思って及ばずながら努めている」
「油断がならない」
と松本さんは大袈裟な表情をしたが、無論冗談だ。係が全く違うから、私と競争をする気はない。
「君は生え抜きだけれど、僕は飛入りだから、この機会を利用して地位を固めて置くのさ」
「折角やり給え」
「自叙伝が完成したからってノメ/\平社員に戻されるんじゃ気が利かないからね」
「その点は大丈夫だよ。今度で分っている」
「専任になったからかい?」
「然うさ。これから先のことを考えているんだよ。大将は一度信用したら、何処までも引き立てる。我儘だけれど人情には篤い」
「御機嫌の変らない中に充分食い入って置こうと思って一生懸命さ。自分ながら感心するくらいだ。心掛の一端を御覧に入れようか?」