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ソヴェト・ロシアのすがお

ソヴェト・ロシアの素顔

宮本 百合子

「アサヒグラフ」1931(昭和6)年1月1日、7日、14日、21日、28日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,066 字 · 36 页

青空文庫

まだ経済的に余裕がないし、時間的に余裕がないから、従って非常に細かい趣味というものを区別して造って行く余裕がない。

ソヴェト・ロシアはプログラム一点ばりで進んで行く。それで無理が生じ、やがてその究極はと考えるものもあるが、ソヴェトでは二年前に出来たプログラムがそのまま五年間も持続されるというようなことは全然ない。ソヴェトの実際方針は根本的には一本であるけれども、弁証法的に非常に弾力をもっている。それだから一本調子でやって行くといっても、目的があって、そこへやろうという意味において一本調子であるけれども、或る人に云わせれば、どこに終局の目的があるか分らないという位、弾力をもって強く柔軟にやってゆくのです。

優生学、ユーゼニックスは非常に社会的問題として注意深く扱われている。第一ソヴェトは昔から肺病の率が非常に多い。それから性病患者も勿論あって、そういうものに対して優生学から子供を、次の時代を改善して行くということは非常に熱心にやっている。成人、大人になった人間の健康状態を良くするという点、それから子供を出来るだけ丈夫に育てること、それには林間学校を拵えたり、工場付属の療養所、それから転地療養、それから現在は病気になっていないけれども、このまま働いて行けば病気になってしまうという人達は、昼間は働くが、仕事が