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ソヴェトろうどうしゃのかいほうされたせいかつ

ソヴェト労働者の解放された生活

宮本 百合子

「文学新聞」1931(昭和6)年11月10日特別記念号

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,524 字 · 7 页

青空文庫

昼十二時に、あっちでは朝飯というのをやる。一寸した腹ふさぎだ。卵をくったり、罐詰をくったり、牛乳またはチーズというようなものとまたもやパンと茶。

ソヴェト同盟では八時間、七時間労働だから四時すぎには仕事からあがる。ほんものの食事はそれからだ。独身者は近所の食堂でスープ二十カペイキ(二十銭)肉か魚野菜つき一皿、三十カペイキ。果物の砂糖煮十カペイキから十五カペイキ。こう三皿で「正餐」となってるが、もちろん、三皿食うときばかりはない。

財布と相談だ。但、スープにしろ、ソヴェト同盟のスープは汁だけではなく、みがうんと入ってる。キャベジ、人蔘、ジャガ薯、肉片。魚スープもあり、量がひどく多くて、慣れないうちは食べきれぬ。

さて、夜は、ざっと朝のくりかえしだ。

世帯もちは、亭主が帰って来る時分までに、細君が石油コンロや瓦斯コンロで、食事の仕度をして待っている。――日本と大したかわりはない。

然し、めいめいが僅かばかりの肉だ、野菜だとわざわざ市場へ出かけて手間どって買って、燃料をかけて不美味いものをこさえるよりは、専門家が、材料も選び、料理に腕をふるったものの方が、やすいし、美味いし、第一時間がはぶけ、どんなに暮しが身軽くなるかしれない。