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ソヴェトぶんだんのげんじょう
ソヴェト文壇の現状
宮本 百合子
「綜合プロレタリア芸術講座 第一巻」内外社、1931(昭和6)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,896 字 · 58 页
ソヴェトに彼等は必要だったのだ。それをどうして今急に撲滅しなければならないのか?」多くのものがこう云った。が、そういう人たち自身がその答えを与えているではないか。問う人自身が既に、「ソヴェトに彼等は必要だった」と云ってるではないか。とりも直さず、彼等の必要はもう過去のものとなっていることを語っている。情勢は推移する。社会主義建設に向って推移しつつある。嘗て「成金」は個人資本をソヴェト生産内に流用したことによって役に立った。しかし、今日誰がネップマンの必要を認めるか。ネップマンが、儲け専一のブルジョア企業家の滓であり、ソヴェトの社会建設に入用だったのは彼等の階級でなかったことは明かだ。富農も社会主義建設への過程的な現れだった。それが、前進しようとするソヴェト生産の社会主義化を妨げるほど、階級として過渡に発達したなら、それは揚棄されなければならない。
ピリニャークは、この事実を理解しなかった。更にそれ以上の階級的裏切りをやった。ラスコーリニコフが忠告した時、この原稿は草稿で、長篇の中へ入れるときは書き直すつもりだ、と云っておきながら、ピリニャークは原稿をそのまま、レーニングラード対外文化連絡協会の手を経て、ベルリンへ送った。