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ソヴェトぶんだんのげんじょう
ソヴェト文壇の現状
宮本 百合子
「綜合プロレタリア芸術講座 第一巻」内外社、1931(昭和6)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,896 字 · 58 页
四方八方で新しい社会への基礎工事がはじまり、そのために有用な知識は、どんなものでも生かして使われた。マルクシストと自称する一群のレーニン主義を理解しないマルクシストさえ、「マルクシズム同盟員」として、働きを与えられていた。
五ヵ年計画はソヴェトの建設政策の歴史の上でも、最も具体的なレーニン主義的な現実変革の一例である。この歴史的な発展期に「マルクシズム同盟員」のこれまでの考えかたのあやまりが明瞭になったのはこのウォロンスキーの例ばかりではない。やっぱりソヴェトのマルクシズム文学理論家として、モスクワ大学に講義しているペレウェルゼフ教授も、現実によってきびしく批判された。
ペレウェルゼフの誤謬は、機械主義にあった。彼の考えかたによると、主観は客観条件の全然機械的な反映だということになっている。文学理論にそれをあてはめると、社会の客観的事情が、ただ作家の主観をこしらえるだけで、作家の主観が客観的事情へ能動的に働きかけるという事実は、勘定に入れられないことになる。具体的に云うと、純粋のプロレタリア出身の作家だけが、プロレタリア革命を理解し、プロレタリアートの党としての共産党の意味を理解し、社会主義建設もわがものとして実感する。