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ちっぽけなおの

チッポケな斧

坂口 安吾

「新潮 第四八巻第八号」1951(昭和26)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,233 字 · 21 页

青空文庫

私は私の史観によって、特に今に生きることの責任を痛感している点もあります。この時に人ありせば、というのが歴史を読む人の甚だ通俗な感傷ですが、恐らく後世の日本人が、この時にこそ人ありせばと最も痛感するであろう大転換期に我々が生きているのだから、現代に於ては読史家の通俗な感傷ぐらいバカげたものはない。

この再建は、およそ軽率であってはなりません。一つの新しい制度をつくったり、一つの古い制度を復活させるというようなことに際しては、その可否について多くの角度からメンミツに検討さるべきであって、旧に復する方が手ッとり早く安易であるし、馴れもあるというような軽い気持でやられては、戦争に負けた重大な意義も、何百万の人命を失った意義もなく、再び足もとのオソマツな、土台のグラグラした情けない日本を作ってしまう。

チャタレイ問題も、まず、その観点から考えてみなければなりません。

日本の再建は甚しく危険な方向に傾きはじめている。せっかく白紙に還ったことがゼロになり、マイナスになりそうになってきた。天皇制の廃止ということは、まず第一の切開であった。天皇制のために日本人の生活がどれぐらい歪められていたか知れません。