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ちっぽけなおの
チッポケな斧
「新潮 第四八巻第八号」1951(昭和26)年7月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,233 字 · 21 页
なにしろ偶像の実存を前提としているのだから、そのために、真理が自由に通用するということが不可能であった。学問は真理を究明するものだ。ところが世界にただ一ツ、真理をマンチャクすること、真理を隠すことを前提としているのが日本歴史である。仏説の故に正しいという宗教と同じように、国撰の史書が前提であって、これを覆す真理は究明できず、むしろツジツマを合せたり、真理をマンチャクすることの合理をもって哲理の基礎とする国学という奇怪な体系が現れ、陰に陽に、日本の学問はこの化け物の支配下にあったと云える。この化け物は学者と称する人間の骨を抜いていたようだ。だから、終戦後六年もたち、一切のタブーが失われて自由の究明が許されても、日本の史家で過去に隠されていた歴史の真相を明かにしようと試みたのは滝川政次郎氏ぐらいのものだ。曲学阿世の徒と云われても、どうにも仕様がないのは、日本の国史家であろう。仕方がないから、私のような素人が一知半解な史実を説くようなことになる。曲学阿世の徒にまかせておくわけにゆかないから、辛いけれども仕方がないのである。
表向きは学者で通り、真理を明かにすることを仕事にする筈の人たちがこの有様なのであるから、天皇制の廃止という大そう結構な変革が現れても、実は全然その実が挙らなかったということを銘記する必要が