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ディズニーのひととさくひん
ディズニーの人と作品
中谷 宇吉郎
「週刊朝日」1955(昭和30)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,273 字 · 13 页
光学焼付機を使うというだけならば、そう驚くべきことではない。しかしディズニーの記録映画は、初めに十六ミリの天然色フィルムに撮り、それを三十五ミリに拡大したものである。沙漠の中に大型の撮影機を持ちこみ、それで野生の動物を追っかけ廻すことはできないからである。十六ミリを三十五ミリに拡大し、そのまた部分を引き伸して、画面がちっとも荒れないばかりでなく、あの色調の美しさを保っている。まことに驚くべきことで、現像焼付技術の極致と言っていいであろう。この技術の進歩によって、配置および引き伸しが自由にできることになった。すなわち空間的に、図柄を自由に変化させることが、可能になったのである。
そのうえ映画では、時間の伸縮という、他の手段では夢想だにできないことが可能である。微速度および高速度撮影によって、花をみるみるうちに開かすこともでき、また鳥を極めてゆるやかに飛ばすこともできる。これらの技術はすでに充分よく知られているので、何も目新しい話ではない。現在ではそれよりも一歩進んで、一つのカットの中で、すなわち一定廻転で撮ったフィルムの中で、一部を速く、他の部分を遅く見せることも可能なのである。