轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ドミノのおつげ

ドミノのお告げ

久坂 葉子

「VIKING 17号」1950(昭和25)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,713 字 · 42 页

青空文庫

しばらくの間、失った子供をなつかしむように、私は数々の品を一つずつ目の前にうかべて回想にふけっておりました。

急にジャズがやかましく鳴り出しました。とすぐ、ぷっつりきれて静寂にかえりました。

「そら、しかられた。馬鹿ね、信二郎さん」

いつの間にか、隣の部屋へ出て行った信二郎を、私は軽くたしなめました。父が苦しそうに、それでもかなりの大きい声を出して怒っております。

「ふん。ジャズもわからないのか。全く、家にいるのはゆううつさ。面白くもねえ、姉様だってアプレのくせに……」

「こんな老嬢でもやはりアプレのうちなのね」

「来年から年一つ若くなるんだよ。だけど、麻雀やカードは話せるなあ」

私は賭事、勝負事は三度の御飯より好きなのです。私は夢中になって勝とうと致します。その間は、他のことをすっかり忘れております。

「姉様、僕アルバイトやろうと思うんだけども」

その時、また私の部屋にはいって来た信二郎は、小さな声でそう云いました。

「何の?」

「ジャズバンドさ。スチールギター」

「いつ覚えたの」

「いつだっていいさ。大したもんなんだぜ」

「いいわ、おやんなさい。でも夏のこともあるんだからよく考えてからよ」