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ニューフェイス

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坂口 安吾

「小説と読物 第三巻第七号」桜菊書院、1948(昭和23)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,479 字 · 25 页

青空文庫

見ていてごらんなさい、脳タリンスのシルコの味を見てみましょうてんで、千客万来疑いなしですから。これ即ち、深謀遠慮というものです」

「こんな文章しか書けないくせに、虚勢をはるんじゃないよ」

「エッヘッヘ。裸ショウバイの御方にはわかりませんです。ワタシはちょッと心理学を用いましたんです」

開店すると、狙い違わず、ミーちゃんハーちゃん千客万来である。

お客は御婦人と狙いをつけてのことであるから、給仕には女をださず、女房も店の奥へひっこめて、男の大学生を三人、給仕人に雇った。

三人の数にも曰くがあって、町内の六人組に三人たすと九人になって、野球のチームができる。

そこで町内の小公園の野球場で試合をすることになり、両軍勢揃いして、見物人も集り、試合がはじまる頃になると、シンちゃんがフロシキの包みから何やらとりだした。これを大学生が球場の松の木へ登って、誰の手にもとゞかない高いところへぶらさげてみると、一丈四方もある旗のようなもので、

雰囲気とシックと味の店、甘味処、さゝの枝野球団

堂々とこう書かれている。つゞいて本塁をまもるシンちゃんがパッとジャンパーをぬぎすてると、派手なユニホームが現れて、この背には、職業野球の背番号の代りに「さゝの枝主人」