轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
バルザックにたいするひょうか
バルザックに対する評価
宮本 百合子
「文学古典の再認識」芸術遺産研究会編、現代文化社、1935(昭和10)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,904 字 · 62 页
バルザックの一日の内容にはもっともっと他の重大なことがあった。即ちベルニィ夫人やハンスカ夫人のように会わずに暮している過去の、或は未来の、彼が「会わないうちから夢中になっている」愛人たちに向って熱情の溢れるような手紙を書くこと。及び「彼の想像力は無尽蔵に次から次へとその手段を思いつかせた」やり方で押しよせる高利貸を宥め、債権者を納得させ、勘定書をもって来た出入りの商人から却って金を借りる等という困難きわまる芸当。更に出版権にからまる絶え間ない訴訟事件があり、代議士立候補のための、進んでは大臣になるための政見を発表し、しかも時々バルザックは一八二五年の破局にもこりず熱病にかかったように大仕掛の企業欲にとりつかれ、サルジニアの銀鉱採掘事業や、或る地勢を利用して十万のパイナップル栽培計画を立て、新式製紙術の研究にまで奔走したのである。実にバルザックの生活は目もくらむばかりの熱気に顫える一大機関のようであった。彼は真に我々を驚歎させ又沈思させる意志と忍耐力と情熱とで、その生活の波濤をよく持ちこたえ、芸術活動は修飾ない巨大な労働であることを理解し、現実の社会を夥しい小説の中に再現しようとしたのであった。