轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
バルザックにたいするひょうか
バルザックに対する評価
宮本 百合子
「文学古典の再認識」芸術遺産研究会編、現代文化社、1935(昭和10)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,904 字 · 62 页
其骨髄を穿つに及び」はじめて小説は小説としての本質を具えるものであると説明しているのであるが、我々にとって興味ある事実は、この画期的意味をもった小冊子が当時の外国文学の潮流にのっとって著わされたに拘らず、バルザックの名には一字もふれられていないことである。
開化期の明治文学の内容は翻訳小説に尽きていると言えるであろうが、ここでも我々の遭遇するのはシェクスピア、スコット、ユーゴーやデュマであり、巨大なバルザックの姿は見当らない。
僅か三年ばかり前、新潮社が大規模に刊行した世界文学講座のフランス文学篇では、私共は正確なバルザックの略歴さえ知ることが出来ないし、更に昨今の流行とてらし合せて私達の感想を更に一層刺戟するのは、一九三〇年、プロレタリア芸術運動が高まって綜合雑誌『ナップ』が発刊されていた頃、山田清三郎・川口浩両氏によって編輯されたプロレタリア文芸辞典について、試みにハの部を索いて見ると、パルナシアンという字はあるが、バルザックという人名は見当らず、葉山嘉樹はあってバルザックはのせられていないことである。この辞典において、リアリズムに連関して現れている芸術家はゾラ、フローベル、モネ、セザンヌ等であり、しかも編者は明瞭な言葉でリアリズムの階級性にも言及している。