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プロぶんがくのちゅうかんほうこく

プロ文学の中間報告

宮本 百合子

「グラフィック」1937(昭和12)年4月15日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,591 字 · 7 页

青空文庫

プロレタリア文学運動が一九三二年以来次第に運動として形を失って来たにもかかわらず、プロレタリア作品とよばれる作品は今日やはりずっと書きつづけられており、決して消えてしまってはいない。

これは、なかなか面白い観察されるべきことであると思う。芸術の各分野で文学が(中でも小説が)社会の現実を最も直接に反映し、再びその作品の芸術的効果において社会感情の裡に作用しかえしてゆくという特徴が、どんなに根づよい事実であるかということが考えられる。文学運動の形として団体だのサークルだのというものはなくされたが、私たちの毎日の実際生活の様々の悪感情、公平ならざる事情、この人生の動きかた、動かされかたに人間として疑問をもたざるを得ない諸事情というものは、経済上・思想上の自由がきりつまるにつれて、却って人々の心に意識されて来る。何かそこに方法を求め、何かそこに解決の可能についての見とおしを欲する感情が流れている。プロレタリア文学は、作者のそういう現実の生活感情が底潮となっているために、作品としてやはり人々の心をひく何かを含んでいるのである。そして、大局的に眺めわたせば、現代の紛糾と困難を縫って猶プロレタリア作品が生れざるを得ない社会の現実の姿が浮上って来るのである。