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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页

青空文庫

ただ一疋の鷹が銀色の羽をひるがえして、空の青光を咽喉一杯に呑みながら、東の方へ飛んで行くばかりです。みんなは又叫びました。

「又三郎、又三郎、早ぐ此さ飛んで来。」

その時です。あのすきとおる沓とマントがギラッと白く光って、風の又三郎は顔をまっ赤に熱らせて、はあはあしながらみんなの前の草の中に立ちました。

「ほう、又三郎、待っていたぞ。」

みんなはてんでに叫びました。又三郎はマントのかくしから、うすい黄色のはんけちを出して、額の汗を拭きながら申しました。

「僕ね、もっと早く来るつもりだったんだよ。ところがあんまりさっき高いところへ行きすぎたもんだから、お前達の来たのがわかっていても、すぐ来られなかったんだよ。それは僕は高いところまで行って、そら、あすこに白い雲が環になって光っているんだろう。僕はあのまん中をつきぬけてもっと上に行ったんだ。そして叔父さんに挨拶して来たんだ。僕の叔父さんなんか偉いぜ。今日だってもう三十里から歩いているんだ。僕にも一緒に行こうって云ったけれどもね、僕なんかまだ行かなくてもいいんだよ。」

「汝ぃの叔父さんどごまで行く。」

「僕の叔父さんかい。