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しこんぞめについて

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:紫紺染について、泉ある家、十六日、手紙 一、手紙 三、手紙 二、手紙 四、サガレンと八月、バキチの仕事。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,934 字 · 50 页

青空文庫

たような情ない気がした。

(おみち何でぁその年してでわらすみだぃに。起ぎろったら。起ぎで片付げろったら。)

おみちは泣きじゃくりながら起きあがった。そしてじぶんはまだろくに食べもしなかった膳を片付けはじめた。

嘉吉はマッチをすってたばこを二つ三つのんだ。それから横からじっとおみちを見るとまだ泣きたいのを無理にこらえて口をびくびくしながらぼんやり眼を赤くしているのが酔った狸のようにでも見えた。嘉吉は矢もたてもたまらず俄かにおみちが可哀そうになってきた。

嘉吉はじっと考えた。おみちがさっきのあの顔いろはこっちの邪推かもしれない。

及びもしないあんな男をいきなり一言二言はなしてそんなことを考えるなんてあることでない。そうだとするとおれがあんな大学生とでも引け目なしにぱりぱり談した。そのおれの力を感じていたのかも知れない。それにおれには鉱夫どもにさえ馬鹿にはされない肩や腕の力がある。あんなひょろひょろした若造にくらべては何と云ってもおみちにはおれのほうが勝ち目がある。

(おみち、ちょっとこさ来。)嘉吉が云った。

おみちはだまって来て首を垂れて座った。

(うなまるで冗談づごと判らなぃで面白ぐなぃもな。