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マルクスしゅぎとゆいぶつろん
マルクス主義と唯物論
三木 清
「思想」1927(昭和2)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,739 字 · 43 页
我々は今の状態を止揚するところの現実的なる運動を共産主義と呼ぶ。この運動の諸条件は今現存する前提から生ずる*。」そこでエンゲルスもまたいっている、「マルクスはそれ故に彼の共産主義的要求を決して我々の道徳的感情の上に基礎づけなかった、かえって彼はそれを我々の眼前で毎日日増に成就されつつある、資本主義的生産社会の必然的な崩潰の上に基礎づけた、彼は、ひとつの単純な事実である、剰余価値は支払われざる労働から構成されている、ということを語るのをもって満足する**。」ところでマルクス主義に従えば、この理論的な必然性は必ず実践的な表現を得ていなければならない。プロレタリアートの窮迫(Noth)はまさにこの必然性の実践的な表現(der praktische Ausdruck der Nothwendigkeit)である、とマルクスは考える。今や人類の大衆が全く「無産」となり終り、彼らの貧困はもはや忍び難きものとなった。かかる現実を将来した資本主義的生産方法はもはや「堪え難き」力となり、それを革命することはもはややむを得ざることとなった。無産者の生活の窮迫はかくしてもはや拒否し得ぬ絶対的命令において社会の変革を命令する。