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マルクスしゅぎとゆいぶつろん

マルクス主義と唯物論

三木 清

「思想」1927(昭和2)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,739 字 · 43 页

青空文庫

三

** Marx-Engels Archiv, ※(ローマ数字1、1-13-21), 265.

三

イデオロギーを現実からの游離において見出した批判は、必然的に現実そのものから出発せねばならぬ。したがって唯物論はその限りにおいてまず現実主義、実証主義を意味する。マルクスの先蹤として、宗教的イデオロギーの批判に従事したフォイエルバッハは、すでに記している、「思弁は宗教をしてただ、思弁みずからが考えた、そして宗教よりも遙かによく語ったところのものを、語らしめる。それは、宗教から自己を規定せしめることなく、宗教を規定する。それは自己から出ることがない。しかるに私は宗教をして自己みずからを語らしめる。私は単にそれの聴手と通訳をなし、それの後見をなさない。案出することでなく、――被いを去ること、〈現実の存在を顕わにすること〉、が私の唯一の目的であった。正しく見ることが私の唯一の努力であった*。」すなわち『キリスト教の本質』の中で彼の行なおうとしたことは、「物に忠実な、それの対象に最も厳密にくっついてゆく、歴史的―哲学的分析**」(eine sachgetreue, ihrem Gegenstand sich aufs Strengste anschliessende, historischphilosophische