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「ラジオおうごんじだい」のていちょう

「ラジオ黄金時代」の底潮

宮本 百合子

「唯物論研究」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,621 字 · 11 页

青空文庫

になり、洵に驚異すべき好成績を示している。」この好成績によって、放送局は今日では一ヵ月略一億四千万円ばかりの収入を得ている次第なのである。

ところで、今日、大衆のどんな感情の色合いでラジオのニュース価値が増して来ているのであろうか。オリムピック。神風の快翔。いずれも大衆のラジオに対する親密さを増大させたに相異ない。だがオリムピックのニュース及びオリムピック東京招致前後の空気その他、微妙な或る刺戟が大衆の自然な関心に加えられていたことは争われない。生活の楽しさ、世界のひろさ、又その近さ、交誼の平安。それらの感情とは或は全然反対の不安、期待、好奇心を刺戟されることのラジオのニュース価値は増大して来ているのを見のがせないところに、深刻な今日の生活と文化との問題があると思う。

日本全国三十の放送局は中央放送局に統一されていて、番組編成の基準は、「国民文化の表現乃至は聴取者嗜好の反映として見る限りその番組は撩乱の姿を呈している」が、「放送効果の立場よりする聴衆の必然性の吟味或は社会的公正、文化的妥当の見地より指導方針の検討が加えられなければならない。」そして、官営である日本の放送事業は、個人経営のアメリカなどとは違う。