轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

「ラジオおうごんじだい」のていちょう

「ラジオ黄金時代」の底潮

宮本 百合子

「唯物論研究」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,621 字 · 11 页

青空文庫

現代ヨーロッパ文学には、ラジオや飛行機が様々の形でとりいれられ、スピードや空間の征服やそれによる人間の心理の複雑化などが語られている。

日本でもラジオは文学に反映しているが、最近東朝が紙面の品位を害するという理由で掲載を打ちきったとつたえられる永井荷風氏の「※(「さんずい+墨」、第3水準1-87-25)東綺譚」は、恐らく今日の世界の文学に類のないラジオと一人の人間との関係を発端としていると思う。作者永井荷風は、夏の夕方になると軒並にラウド・スピイカアのスウィッチを入れて、俗悪・卑雑な騒ぎを放散させる五月蠅さに堪りかねて、丁度十時頃ラジオの終るまでの時刻をどこかラジオのならないところで過す工夫をこらす。そして、遂に墨東、亀戸辺の私娼窟に出入することを書いたものである。

古典的筆致と現代私娼窟の女・情景とを荷風一流のデガダンスに統一して描かれていたこの作品についての感想はここでは触れないとして、ラジオをいやがって逃げ出すところから何百枚かの小説をかかせ得る日本のラジオというものの性質が、なかなか只見て過るというわけに行かないのである。

荷風の場合は、一つの異例であるとしても、ラジオが好き、と積極的に云い得る人は、全住民の果して何割を占めるであろうか。