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ロボットとベッドのじゅうりょう
ロボットとベッドの重量
直木 三十五
「新青年」博文館、1931(昭和6)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,963 字 · 18 页
」
「永久の。」
「ロボットを学べ、鈴木金作。したい事をして、悔を感じない人生。」
「じゃあ、僕と、今、さよならしても、奥さんは、感じない? 何も?」
「あんたの出て行く、一歩、後から、次の男を求めに行く。」
「僕は、さよならしない。」
男は、眼に、手に、力を入れた。
「人間の男の取柄は、その情熱の昂進してくる所だけね。」
「ロボットの方が――」
男は、情熱が、血管の中で、溢れてきたのを感じた。夫人は、男の顔が近づくのに、押されるように、クッションの中へ、だんだん凭れ込みながら、
「自分の意志のままになるロボットもいいし、自分の意志以外の方法を教えてくれる男もいいわ。ロボットが、俊太郎が出来て以来、女性の感覚は、二倍によくなったわ。」
夫人は、朗かに笑って、じっと男の眼をみつめた。
四
「このベッドは、御前と、俺とだけのものにしておきたい。」
俊太郎は、凹んだ眼の中から、力のない表情でいった。
「ええ。」
「ここだけは、汚してはいけない。」
「誓うわ。」
「そうかい――じゃ、このロボットを大事にしてくれ。俺だと思って。」
「随分、精巧なのね。」
皮膚の感じ、体温、その素晴らしい機能、その微量の電気による魅惑的な刺激、それは、機械によって、感じる――機械によってのみ感じえられる、女性にとっても驚くべきものであった。