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ウィタ・セクスアリス
ヰタ・セクスアリス
「昴」1909(明治42)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,941 字 · 119 页
僕は忽ち一計を案じ出した。
「うむ。あの縁から飛んで遊ぼう」
こう云って草履を脱いで縁に上った。勝も附いて来て、赤い緒の雪踏を脱いで上った。僕は先ず跣足で庭の苔の上に飛び降りた。勝も飛び降りた。僕は又縁に上って、尻をった。
「こうして飛ばんと、着物が邪魔になって行けん」
僕は活溌に飛び降りた。見ると、勝はぐずぐずしている。
「さあ。あんたも飛びんされえ」
勝は暫く困ったらしい顔をしていたが、無邪気な素直な子であったので、とうとう尻を※(「寨」の「木」に代えて「衣」、第3水準1-91-84)って飛んだ。僕は目を円くして覗いていたが、白い脚が二本白い腹に続いていて、なんにも無かった。僕は大いに失望した。Operaglass で ballet を踊る女の股の間を覗いて、羅に織り込んである金糸の光るのを見て、失望する紳士の事を思えば、罪のない話である。
その歳の秋であった。
僕の国は盆踊の盛な国であった。旧暦の盂蘭盆が近づいて来ると、今年は踊が禁ぜられるそうだという噂があった。しかし県庁で他所産の知事さんが、僕の国のものに逆うのは好くないというので、黙許するという事になった。