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せんきゅうひゃくさんじゅうしちねんをおくるにほん
一九三七年を送る日本
戸坂 潤
「改造」改造社、1937(昭和12)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,500 字 · 23 页
この計画の外貌は、例えば国民精神文化研究所の感触などに較べても、もっと近代的であり、前資本主義的趣味を脱している。そこに一応形式上の民衆性があるわけで、ただの国粋反動団体的バーバリズムとは区別されねばならぬが、併し日本諸学などということになると、依然として、国民の文化常識からの反発を招かぬわけには行かない運命におかれている。
だがそれはそれとしても、日本の文化運動の形態が、国家権力の大樹の蔭に文化を求めようとするにあることは、日本型の文化ファシズムの特徴なのである。この文化的事大主義と文化的依存主義とは併し、勿論一般にはもっと高尚な文化的な相貌をとって現われる。諸文化の半官半民の民間アカデミー運動は多少ともこの動きの表面に現われたものだという一面を有っている。現に日本文化中央連盟はそういうアカデミー運動の総和であると見てもいい。そしてその一部になるらしい「新日本文化の会」の如きは、寧ろ最も著しい事大的アカデミーの意義を有っているだろう。
本年度に於ける文化上思想上の最も大きな課題は、このような事大主義の系統に帰する日本文化乃至文化一般の観念と、之に対する批判としての別系統にぞくする日本文化や文化のイデーとの間に、横たわっていたと云っていい。