轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いったとはは
一太と母
宮本 百合子
「女性」1927(昭和2)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,507 字 · 21 页
屋根がトタンだから、風が吹いて雨が靡くとバラバラ、小豆を撒くような音がした。さもなければザッ、ザッ、気味悪くひどい雨音がする。一太は、小学校へ一年行ったぎりで仮名も碌に知らなかった。雑誌などなかったから、一太は寝転んだまま、小声で唐紙を読んだ。さっきも云った隣との区切りの唐紙が、普通の襖紙で貼ってなく、新聞の附録の古くさい美人画や新聞や、そこらに落こちていた雑誌の屑のようなもので貼られていた。幾年か昔、この長屋が始めて建ったときには、そこだってきっとおばさん達のいる方のように、茶色に菊のついた紙で拵えてあったのに違いない。破けては貼り破けては貼り――それは一太も知っている。一太が去年始めて青森から母親と出て来てこの部屋の家に住むようになったとき、一太はまだ廊下や庭のある家で体を動かす癖をもっていた。
昼寝して寝がえり打つ拍子にウームと、一太は襖を蹴って、足を突込んだ。母親は一太をぶった。一太が胆をつぶした程、
「馬鹿!」
と怒鳴って、糊を一銭買わせた。そして、一番新しいつぎを当てた。
一太はそのまだ紙の白いところを眺めたり、色の変りかけた新聞の切れなどを読む。