轻松读懂日语经典作品
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
三千子さんのために牢にまで入っている。それを両親に少しも気づかれない様に秘しかくしていたのだから、三千子さんも恐しい女だ。まずその封筒の方のを読んで見給え」
手紙の日付は両方とも――年二月となっていた。つまり約一ヶ年以前に書かれたものだ。
……己は貴様をのろう。貴様の歓心を買うために己がどんな苦労をしたか。とうとう己は泥坊とまでなり下った。貴様とつき合って行くためには、貴様に軽蔑されないためには己はその外に方法がなかったのだ。詐欺で訴えられて、己は今ひかれて行くのだ。いつか貴様に金策を頼んだことを覚えているか。あの時に何とかしてくれたらこんなことにならないで済んだのだ。併し貴様は、とっくに変心していた。もう一人の男の所へ行くのを急いで、己のいうことなんか聞きもしなかった。あの時の己の心持が想像出来るか。恋の恨みと罪の恐れだ。己はもう半分気違いだった。己は幾度も短刀を懐にして貴様の邸のまわりをうろついた。だがどうしても機会がなかった。己はこの怨みをはらすまでは、警察の手を逃れたいと、下宿に帰らないで木賃宿に泊っていた。貴様のすべっこい頬っぺたに、短刀を突込んで、グリグリかき回してやることばかり考えていた。