轻松读懂日语经典作品
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
二階は六畳と四畳半の二間切りだった。男はその六畳の座敷に入って、ふすまをピッタリとたて切った。
「立っていたって仕方がないでしょう。そこに座蒲団があるから、御自由にお敷きなさい。だが、百合枝さん、とうとう来ましたね」
男は気味悪く笑いながらいった。そして、自分も一枚の座蒲団を取って、外套のままその上に腰をおろした。彼は足を曲げるのが非常に困難らしく、長い間かかって、やっと横坐りに坐った。
「いやに堅くなってますね。もっとくつろいじゃどうです」
彼は眼鏡の奥から蛇の様な目を光らせて、夫人を見た。
「ここにはだれもいないのですか」
百合枝は隅の方に小さく坐って、干いた脣でいった。
「まあいない様なものです。耳の遠い婆さんが雇ってあるのだけれど、あなたがいやだろうと思って顔を出さない様にいいつけてあるのです。つんぼも同様の婆さんだから、大丈夫ですよ。少々大きな声をしたって聞える気遣はない」
男はその時まで冠っていた大きな鳥打帽を脱いだ。その下にはモジャモジャした短い毛が汚らしく生えていた。不思議なことには、そうして帽子を脱ぐと、彼の相好がガラリと変って見えた。