轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
「昨夜は片町の御親戚へいらっしゃいました」
書生は平然として答えた。
「で、何時頃お帰りになった?」
「九時ごろでしたよ」
書生が又変な顔をした。九時といえばまだ紋三があの暗い路地にうろうろしていた時分だった。彼は益々分らなくなった。山野夫人があの厳重な見張りをどうして抜け出すことが出来たか。そんなことは到底不可能だ。とすると、昨夜のはやっぱり一場の悪夢に過ぎなかったのか。彼は兎も角一度夫人に会って見たいと思った。
「じゃ、まだ明智さんとこにいらっしゃるだろうね」
「エエ、つい今し方お出かけだったのですから」
「その後別に変ったこともない?」紋三は帰り支度をしながら、ふと気がついて尋ねた。「大将の病気はどうだね」
「どうもよくない様です。熱が高くって、今朝から看護婦が二人来る様になったのですが、何だかどうも、内の中が滅茶苦茶ですよ。そこへ、小間使の小松が、昨夜医者へ行くといって出た切り帰らないのです」
「小松といえば、頭痛がするとかいって寝ていたあれだね」
「エエ、心当りへ電話をかけたり、使をやったりしたのですが、今の所行方不明です。それに又、今朝は早くから警察の人達がやって来る始末でしょう。