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いっぴょうのきょうくん
一票の教訓
宮本 百合子
「婦人公論」1946(昭和21)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,876 字 · 12 页
日本の新しい出発にとって意義深い総選挙は、四月十日に行われ、十五日までには全国の成果が知らされた。
前もって数えられていた全国の有権者は三千九百八万九百九十人といわれ、そのうち婦人有権者は二千九十一万七千五百九十三人とされていた。永年の戦争で、夥しい男子を家庭から失っている日本の姿がここに示されていたわけである。
婦人の参政権が認められてから、総選挙まで、私たちは幾度、日本の婦人は政治に無関心だという批評をきいて来ただろう。また、何度、どうせ棄権さ、という言葉をきかされて来たであろう。選挙準備の期間を通じて、新聞が報じたのは、選挙に対する一般の気のりうす、低調ということであった。
ところが、いよいよ結果が検べられてみると、先ず棄権率が非常にすくなかったことがわかった。全国平均僅か二割七分七厘の棄権しかなかった。そして、意外に多勢の婦人立候補者が当選した。婦人立候補者の四割八分ほどは当選して、二十八歳から六十六歳まで、三十九名の婦人代議士が、新しい明日に向って選び出されたのである。しかも、これらの婦人代議士の中には、それぞれの選挙区で最高点を得た人が五名もあった。