轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いっぴょうのきょうくん

一票の教訓

宮本 百合子

「婦人公論」1946(昭和21)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,876 字 · 12 页

青空文庫

この「ストップ」について、私たちの心には、計らずもつい四日前、朝日新聞紙上によんだ一つの記事が思いおこされた。それは「偽装の魅力『国民戦線』」という見出しの記事であった。「与党工作の舞台裏」で楢橋氏が首相を動かしているいきさつが解剖され、極めて興味あるくだりがあった。これからつくろうとする新党の性格にふれて、十四日、楢橋氏は首相に向い次のような意味の話をした。「あなたは三菱の婿であり、これまで資本家の代表であるかもしれないが、これからの日本を再建するのは労働力以外にはない。住んでいるのは今の家でもいいが、裸になって労働者の代弁者になった気でおやりにならねば駄目だといい、幣原首相を驚かせた」というのである。総辞職を求めて来た四党代表に向って、首相が自由にものをいったら、そして、その場での誠意を表明しようとしたら、彼は、国を憂えているという自身の心を証明するために、更にどう話をつづけたであろうか。楢橋氏の「ストップ」令は、何をストップさせたのであったろうか。バルザックの小説の場面が髣髴される。仮に、首相が楢橋氏の進言に従って三菱の婿としての立場を考え直す、ということで、国を憂える真意を裏づけようとでもしたら、政府は、目下試みているような憲法草案を仮名まじり文にしただけの押しつけや、労働法の骨抜き作業などをつづける