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みっつのたから

三つの宝

芥川 竜之介

三个盗贼为了一双能飞千里的靴子、一件隐身斗篷和一把削铁如泥的剑大打出手。路过的王子想劝架,结果自己也被卷了进去。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,156 字 · 15 页

青空文庫

王子無言のまま、金を投げる。

第二の農夫 御土産は?

王子 (剣の柄へ手をかける)何だと?

第二の農夫 (尻ごみしながら)いえ、何とも云いはしません。(独り語のように)剣だけは首くらい斬れるかも知れない。

主人 (なだめるように)まあ、あなたなどは御年若なのですから、一先御父様の御国へお帰りなさい。いくらあなたが騒いで見たところが、とても黒ん坊の王様にはかないはしません。とかく人間と云う者は、何でも身のほどを忘れないように慎み深くするのが上分別です。

一同 そうなさい。そうなさい。悪い事は云いはしません。

王子 わたしは何でも、――何でも出来ると思ったのに、(突然涙を落す)お前たちにも恥ずかしい(顔を隠しながら)ああ、このまま消えてもしまいたいようだ。

第一の農夫 そのマントルを着て御覧なさい。そうすれば消えるかも知れません。

王子 畜生!(じだんだを踏む)よし、いくらでも莫迦にしろ。わたしはきっと黒ん坊の王から可哀そうな王女を助けて見せる。長靴は千里飛ばれなかったが、まだ剣もある。マントルも、――(一生懸命に)いや、空手でも助けて見せる。その時に後悔しないようにしろ。