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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
もしや宇宙戦争が始まるようになっては、たいへんである。
正吉は、そんなことを考えていると、なんとなく気分がすぐれなくなった。カコ技師はすぐそれを見てとった。
「正吉君。いやにふさぎこんでしまったじゃないか。とにかく人間は、どんなときにも元気をなくしてしまってはおしまいだよ。そうそう、いま映画室でポパイだのミッキー・マウスの古い漫画映画をうつしているそうだから、行ってみて来たまえ。そして早く、にこにこ正ちゃんに戻りなさい」
カコ技師にいわれて、正吉は、そのことばに従った。
映画はおもしろくて、おなかをかかえて笑った。すぐそばに、正吉よりもっと大きな声で笑いつづける者がいた。よく見ると料理番のキンちゃんであった。
映画がすむと、キンちゃんが、室内競技場へ行こうと、さそってくれた。正吉は、いっしょに行った。そこには非番の艇員たちが、声をあげて遊んでいた。正吉たちもその仲間にはいって、バスケットボールをしたり、ビール壜たおしをやったりした。そして時間のたつのが分らなくなった。
カコ技師が、いつの間にか正吉のうしろに来ていて、声をかけた。
「例の偵察ロケットがね、さっきから月世界の表面に接触したよ。