轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さんりょうきょう
三稜鏡
佐左木 俊郎
(笠松博士の奇怪な外科手術)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,347 字 · 42 页
併しながら博士をして、外科医術の研究に躍起の努力を続けさせたのは、その精神的欠陥であろう。笠松博士は、そのような精神的欠陥のために、医術の上にも、極めて奇怪な怖ろしい理想を抱いていて、常にその理想が可能であることを信じていたから。
「――外科医学の最大の理想は咽喉部の接合である。Aの首をBの胴体に接合することである。そこまで行かなければ外科医術を完全と云うことは出来ない。腕とか脚とかの接合なら、手先の少し器用に動く田舎の藪医者にだって、容易に出来る。併し、咽喉部の接合は、胸部とか腹部とかの複雑な機関部の、何んなに困難な大手術よりも更に遥かに困難である。何故かと云うと、他の部分の接合に於いては、動脈も静脈も神経も、何れも生きているものと生きているものとを接合させて、直ぐそれが活動機関を構成するように出来るのであるが、頭部と胴体との接合の場合は全然別項の困難が伴って来る。即ち、胴体からその首を切取ったとき、胴体も首も、何方も死んで了うからである。例え、胴体と首とを切離してから、胴体も首も×時間だけは生きているものとして、そして又その×時間内に、Aの首をBの胴体に接合することが出来るものとしても、何れも仮死状態にまで衰弱している胴体と頭部とを、何うして同時に活動を開始させることが出来るかと云う問題である。