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ふしのくすり
不死の薬
小川 未明
「日本少年 臨」1914(大正3)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,534 字 · 7 页
家来は幾年となくその国じゅうを探して歩きました。そして、ついにこの国にきて、金峰仙という山のあることを聞いて、艱難を冒して、その山にのぼりました。
「そんな年老った家来が、どうしてあんな高い山にのぼったのだい。」
と甲が不思議そうにして丙に問いました。
「ほんとうに、あの山へはだれも上れたものがないというよ。」
と乙は声をそろえていいました。
「いつであったか、探検隊が登って、そのうちで落ちて死んだものがあったろう。それからだれも登ったものがないだろう。」
と甲がいいました。
「だけれど、その家来はいっしょうけんめいになって、登ったんだって、おじいさんがいったよ。」
と丙がいいました。
「そうかい。それからどうなったい。」
と熱心に乙と甲の二人が問いました。丙はまた語り続けました。
山へ登ると、巫女がいったように石の盃がありました。そしてその中に清らかな水がたまっていました。家来は携えてきた小さな徳利の中にその水を入れました。そして早くこれを携えて、国へもどって天子さまにさしあげようと思って、山を下りました。
家来は山を下って、海辺へきて、毎日その海岸を通る船を見ていたのであります。