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『ケプロン・くろだのこうそう』について

中谷宇吉郎集 第八巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页

青空文庫

いろいろな鉱物の結晶のかけらを持ってきて、この面がどうのこうのというようなことをいう。旅行に出ると、あの岩山は古生代の何とからしいが、それにしては、などと思案なんかして見せる。道端にころがっている石ころの名前は、たいてい知っている。ちょっと見直した形である。

もっとも、これは当然なのであって、そういう教育をしているのである。学校には、大きい実験室があって、結晶などは、ごろごろしている。標本として陳列棚に並べておいて、ちっとも可笑しくないような見事な各種の結晶を、生徒一人一人にたくさんくれる。勝手に割ったり、砕いたりしてよいのである。それに一学期に数回、地質旅行に行って、現場で先生から、詳しく講義をきく、そして標本をうんとかついで帰ってくる。

この旅行が、たいへん勉強になるらしいが、日本では、残念ながら、ちょっと真似ができない。たいてい木曜の午後から出かけ、日曜の晩帰ってくるのであるが、その間に、五、六カ所も見るらしい。距離としては、東京を出て、十和田湖へ行き、秋田、新潟を廻って帰ってくるくらいの程度である。どんな山地へ行っても、道路がよく、自動車が自由なので、こういうことができるのである。